2010-01-01から1年間の記事一覧
明け方、半開きの窓から吹き込む風の音に何度も起こされては眠った。眠気に身を任せてはまどろみ、そして耳を澄ましていた。揺り篭のように心地よかった。
UMAと言えば地上飛行生物のスカイフィッシュが有名だけれど、とてつもなく動きがはやいため肉眼ではとらえられないらしい。存在が不確かなのに名前だけが出歩いてるって変なの、と思った。噂話のようなものかな。
目的地を決めずに旅をしたい気分。もしくは電車やバスの終点に、かな。でも何処に行くにしても駅名やら辿り着く場が親切に表示されてばかり。そうやって予め、知らされてしまう……名前も何も知らないまま少しだけ遠くに行ってみたいな、と最近よく思う。
何かを真剣に話そうとして言葉に詰まる。喉や心から出た途端、軽薄なものになってしまいそうで。
心の濁った空気が泡になって流れていくといいのだけれど。炭酸水でも飲もうか…。
落ち着きなく水色のビー玉が水面上を不規則にテンポよく跳ね回り、その度に波紋が広がる。静かに。ゆっくりと。…目覚めて朝に続いている喜びを例えるならこんなイメージ。
声を、音を、言葉を、この手に抱けたらいいのに。
「おはよう」という、たった一言の、何気ない挨拶や言葉が好きだ。「また、会えたね」って話してるみたい、と思う。
言葉であなたに何を渡せるのだろう、と思うだけだった。口をつぐむ。