涵養域

 

私のなかで滴る、

歳月をかけて凍った、氷柱のことを話そう

くいしばっている

水の重み、

が、

地下へ、地下へ、と内部を蝕ばむ

私に垂れ下がった、

縫うための先端、

あくまでも、時刻という皮膚をつなぎ合わせ

気象をつかさどっていた、万年雪の、身体のそとで

そう、

涵養域

に、降られ、鳥肌さえ立ちはしないと知っていても

針をつたう、

しずくの音だけが便りだった

けれども今、まさか、汗をかくとは